眠気覚ましや興奮作用などがあるカフェイン。
コーヒーのほかにもお茶やエナジードリンク(レッドブル、モンスターエナジー)など、幅広い食品に入っており、気づけば口にしているような代表的な成分です。
カフェインのメリットは医療品としても活躍していますが、摂取量を誤れば体にも負担をかけてしまうことにもなります。
本記事ではカフェインの適切な摂取量や、エナジードリンクとコーヒーとのカフェイン量について解説していきます。
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カフェインとは?
カフェインは、コーヒーやお茶、コーラなど身近な食品に含まれている苦味をもった成分です。
アルカロイドという化合物の仲間で、覚醒作用や解熱鎮痛作用、頭痛薬など、医療用としても幅広く使われています。
カフェインは医療用にも使われるほど人に及ぼす効果は大きく、健康的なメリットが近年取り上げられています。
眠気覚ましと血圧を下げる
代表的な効果は、脳内で眠気を作り出す「アデノシン」をブロックし、脳を覚醒させ頭をすっきりさせることです。
ほかにも利尿作用があるので、血圧を下げる効果も期待できます。
しかし過剰摂取や間違えた摂取方法をとると、その分体に悪影響を及ぼしてしまうことも。
カフェインという身近な成分である分、しっかりと摂取量を守るということが重要です。
コーヒー、エナジードリンク、栄養ドリンクのカフェイン量の違い
商品名 | 容量 | カフェイン量 |
ドリップコーヒー | 100ml | 60mg |
インスタントコーヒー | 100ml | 60mg |
ボスレインボーマウンテンブレンド | 185ml | 60mg |
ワンダモーニングショット | 185ml | 60mg |
レッドブル(日本) | 250ml | 80mg |
レッドブル※カロリーオフ(日本) | 250ml | 80mg |
モンスターエナジー(日本) | 355ml | 142mg |
ライジン | 250ml | 36mg |
ロックスター | 250ml | 120mg |
リポビタンD | 100ml | 50mg |
エスカップ | 100ml | 50mg |
メガシャキ | 100ml | 100mg |
眠眠打破 | 100ml | 120mg |
100ml換算だと、エナジードリンクよりもコーヒーの方が多くカフェインが含まれていることがわかりますね。
また眠眠打破やメガシャキのような眠気覚まし系のドリンクは、コーヒーよりも多くのカフェインが含まれます。
コーヒーカップ1杯が約120ml〜150ml、マグカップ1杯が200ml〜250mlなので、一回に飲める量はコーヒーカップで2杯、マグカップで1杯程度が良いとされています。
海外で販売されているエナジードリンクのカフェイン量は日本より多いのか?
海外のエナジードリンクと日本のエナジードリンクでは、同じ商品でも成分分量が少し異なります。
海外のエナジードリンクはカフェイン量が多いというイメージを持っている人は多いのではないでしょうか?
実際に海外と日本の製品成分を比べて見てみましょう。
レッドブルで100mlのカフェイン含有量を比較した結果
海外版レッドブル473mlのカフェイン量は151mg(100mlあたり31.9mg)、日本版レッドブル250mlのカフェイン量は80mg(100mlあたり32 ml)です。
意外にも少しだけ日本のレッドブルのカフェイン量が多いのです。
しかし容量に差があり、ほとんどの商品が日本製品より大きく、結果的に多くのカフェインを摂取してしまう可能性があります。
1日もしくは1回の適正な摂取量を守りながら、安全においしく楽しく飲むことが大切です。
カフェインはどの程度までなら摂取していいの?
日本は基準が設けられていない
日本で許容されているカフェインの摂取量は、食品安全委員会や厚生労働省などでもまだ基準が設けられていません。
これはカフェインの影響がその人個人の体重や年齢、持病やカフェイン感受性によっても大きくことなるからだとされています。
現在はカフェインの健康被害に関する情報を集めている段階なので、今後の発表に期待しましょう。
海外では200mg~400mgが最大摂取量
健康な成人 | 1日の上限ライン |
欧州 | 200mg |
オーストラリア | 210mg |
カナダ | 400mg |
アメリカ | 400mg |
海外では最大摂取量が設けられています。
国によって異なりますが、200mg〜400mgがカフェインの1日最大摂取量と考えてよさそうですね。
カフェインを摂りすぎるとどうなるのか?
カフェインは中毒性があり、摂取し過ぎると様々な症状が生じる
ちょっとした休憩時や水分補給としてドリンクなどで気軽に取れるカフェインですが、適量を超えた過剰摂取は体にとって負担となります。
一度に多くの量を摂取しすぎた場合や、慢性的なカフェインの過剰摂取は急性中毒の症状が現れることも。
カフェイン過剰摂取の中毒度合いによっての症状を解説します。自分に当てはまらないか確認してみましょう。
軽度の場合は食欲不振や不眠など
中毒症状が軽度の場合、食欲不振、不眠、興奮などがあります。
カフェインは胃酸の分泌を促す働きがあり、過剰の胃酸分泌は胃を痛め、食欲を減少させてしまいます。
またカフェインは覚醒作用がある反面、交感神経が優位になり、不眠や興奮状態を引き起こしてしまうこともあります。
そのほか、体の震えや嘔吐、頻脈など人によってさまざまな症状を引き起こします。
重度の場合は意識障害や痙攣発作など
中毒症状がさらに進むと、重症な症状である意識障害や痙攣発作、不整脈など入院が必要となってくるほど苦しい状況となってしまう可能性があります。
そのほか人によっては低カリウム結症、高血糖、低血圧なども認められ注意が必要です。
カフェインは耐性ができる
薬やアルコールなどと一緒で、カフェインも継続的に摂取すると耐性が体の中で構築されます。
以前と同等の量を摂取しても、体が効果を感じにくくなってくるのです。
この結果さらに多くのカフェインを求める行動に繋がり、依存症となる要因になってしまいます。
2011年度からの5年間に少なくとも101人が救急搬送されている
カフェインの急性中毒の問題は、エナジードリンクがより普及している海外のニュースであると思われがちです。
しかし日本中毒学会の調査によると、日本でも中毒症状により2011年度からの5年間に101人が救急搬送され、うち3人が亡くなったという発表がされています。
気軽に摂取できるものだからこそ、自分自身で摂取量をコントロールすることを心がけましょう。
カフェイン中毒の治し方
一般的にはアルコールの治し方と同じ方法がとられます。
一時的に大量に摂取してしまった場合、水分を取りどんどんカフェインを体外に出していくという治療法です。
一方依存症となってしまった場合、長い時間をかけて治療していくことになります。
この場合離脱症状が生じ、吐き気や偏頭痛、だるさや眠気といった症状があらわれることが多いです。
症状はだいたい数日から一週間ほどで収まると言われてますが、この間の離脱症状に耐えられず挫折してしまう人も多いです。
一旦カフェイン中毒になってしまうと、そこから脱出するまでにかなりの気力と根気が必要でしょう。
まとめ
コーヒーやエナジードリンクは、休憩のお供やリフレッシュにも最適で、毎日飲んでる人も多いかと思います。
特にコーヒーは健康メリットがフォーカスされることが多く、体にも良い飲みものという印象もあります。
しかしカフェインという部分でみると、過剰摂取は体に負担をかけるだけでなく、中毒症状など危険な症状も引き起こす場合もあるのです。
コーヒーやエナジードリンクも、きちんとした摂取量を守れば体によい影響を与えてくれますので、用法用量を守り、楽しんで飲んでくださいね。
カフェインのよくある質問
Q. コーヒーにはどれくらいのカフェイン量が含まれていますか?
ドリップコーヒーやインスタントコーヒーには、100mlあたり60mgのカフェインが含まれています。
Q. エナジードリンクにはどれくらいのカフェイン量が含まれていますか?
80mg~142mgあたりのカフェイン量が含まれています。
種類によりますが、内容量の約3~4割にあたるカフェイン量です。
Q. カフェインにはどんなメリットがありますか?
覚醒作用があるので、仕事に集中できるようになります。
利尿作用などもあるため、老廃物を排出する働きもあります。
Q. カフェインにはどんなデメリットがありますか?
適度に飲む分には良いですが、飲みすぎると吐き気や頭痛を引き起こすこともあります。
Q. カフェインは1日にどれくらいの摂取量が目安になりますか?
日本では定まっていませんが、海外では1日あたり200mg~400mgが上限となっています。
コーヒーに換算すると、1日あたり3杯~5杯程度です。
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この記事を書いた人
山下美月
管理栄養士/ソムリエ/フリーライター
管理栄養士&ソムリエの食べ飲み大好きライター。無類のコーヒー好き。食に関するあれやこれを発信中。モットーはよく食べよく飲みよく働くこと。