コーヒーコラム

コーヒーはむくみ解消に役立つ?効果と適切な飲み方を解説

2022年8月16日

コーヒーはむくみ解消に役立つ?効果と適切な飲み方を解説

日常生活の中で、よく見聞きする「むくみ」。顔や足、指などがなんとなくむくんでいるな…、と感じる方は意外に多いのではないでしょうか。

むくみのせいで、身体に違和感があったり不快になったり、スッキリせずに仕事や勉強に集中できないことも。

できることなら、むくみを回避したいものですよね。しかもコーヒーを飲みながらむくみのケアができるのなら、コーヒー好きには朗報です。

そこで今回はむくみのメカニズムや原因、コーヒーを飲むことでむくみが解消される理由や飲み方の実践方法などを解説いたします!

この記事を書いた人

メグアオ

メグアオ

フリーライター

かつてウィーンで本場のカフェ文化に触れ、その後北部タイで薫り高いコーヒーを味わって以来、コーヒーに心魅かれる。その想いが募り、美味しいコーヒーを追求して2年間の東南アジア・東アジア放浪の旅へ。

 

むくみ(浮腫)とは

むくみ(浮腫)とは

人間の体内には大量の水分が含まれています。その割合は成人男性が全体重の約60%、成人女性では約55%。

むくみとは、この水分のバランスが崩れてしまうと現れる症状のことで、専門的には浮腫(ふしゅ)と呼ばれています。

体内水分量の内訳は、約60%が細胞の中に含まれる水分(細胞内液)、残り約40%は血管の中に含まれる水分と細胞と細胞の間にある水分(細胞外液)です。

水分は細胞と血管の中を行き来しながら、栄養補給や老廃物除去を行っています。

普段は一定量を保っていますが、生活習慣や姿勢、病気などのさまざまな要因によって、水分が血管から過剰に浸み出し、細胞と細胞の間に滞留します。

その結果、むくみが起こるのです。

血流が低下することでむくむ

血流が低下することでむくむ

筋肉にはポンプのような役割があり、筋肉を動かすことで全身の隅々まで血液を行き渡らせます。

血液の循環に伴って血管の中の水分も良好に巡り、各器官に酸素や栄養分を届け、老廃物を受け取って排出します。

しかし血管から過剰に水分が浸み出てしまうと、血管内では水分量が不足し、本来サラサラと流れるべき血流が滞ります。

血流が低下すると、酸素や栄養分が必要な場所に行き渡らず、老廃物が蓄積。

体内では悪循環を引き起こします。そして、むくみの症状が現れてきます。

むくみの場所と性質は2タイプずつある

むくみの場所

体の両側
(全身性・両側性)

体の片側
(局在性・片側性)

むくみの性質

指で押すとへこんで戻りづらい
(圧痕性)

指で押しても跡がつかない
(非圧痕性)

むくみが起きる場所は「全身性・両側性」と「局在性・片側性」の2種類。

そして、むくみの性質は「圧痕性」と「非圧痕性」の2タイプがあります。これらをそれぞれ組み合わせると、合計4タイプに区別されます。

例えば、「全身性・両側性+圧痕性」の場合は、足や手の甲、スネや顔面などで起こり、その個所を指で押すとしばらく跡が残ります。

「全身性・両側性+非圧痕性」では、代謝低下によるホルモンの極端な減少などが原因でむくむ時があります。この場合、指で押しても跡がつきません。

さらに「局在性・片側性+圧痕性」ではエコノミークラス症候群、「局在性・片側性+非圧痕性」ではアレルギー性のじんま疹などで、現れることがあります。

むくんでしまう原因

塩分の摂り過ぎ

塩分の摂り過ぎ

むくみになる原因の1つに塩分の摂り過ぎがあります。

人間の体は体内調整を常に行っており、体内の塩分濃度が一定以上になると、塩分濃度を薄めるために水分が使われます。

そして体内に水分を溜め込もうとする体の働きにより、むくみの症状が現れることがあります。

塩分の多い物を食べると、のどが渇きますよね。これも体内に水分を取り込んで、塩分濃度を元に戻そうとしている状態です。

食事やおやつを食べた後に、むしょうに水を飲みたいと思ったら、塩分の摂り過ぎのサインかもしれません。

男女別の1日あたり塩分摂取量目安

男性

7.5g未満

女性

6.5g未満

出典:https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/

厚生労働省の「ナトリウムの目標量(食塩相当量:g/日)を算定した方法」によると、1日あたりの食塩摂取量の目標は、成人男性の場合、15歳~64歳が7.5g未満。

65歳以上は7.5g~8g、女性の場合は12歳~49歳で6.5g未満、50歳以上になると7g(※1)が目安になります。

むくみはもちろん、健康的な身体を維持するためにも、塩分の摂り過ぎは禁物。

塩分摂取量の目安を参考にして、ジャンクフードや加工品などを控えたり、塩分の多い料理などではスパイスやお酢などの調味料を使って味付けを調整したりするなど、毎日の摂取量に気を付けながら、塩分コントロールを心がけると良いでしょう。

▼参考文献

(※1)厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020 年版)「日本人の食事摂取基準」策定検討会報告書」 (表1 ナトリウムの目標量(食塩相当量:g/日)を算定した方法p277)

アルコール摂取

アルコール摂取

アルコールを摂取すると血管が拡張することから、血流が良くなると思われがちですが、アルコールもむくみの原因の1つに挙げられます。

お酒を飲み過ぎると、体内の水分量が失われて血中のアルコール濃度が高くなります。

すると濃度を下げようと、体内の水分が大量に血中に流れ込み水分量のバランスが崩れます。

本来の役割である老廃物の排出がうまくいかなくなってしまい、その結果としてむくみを招くことになります。

アルコールも摂り過ぎるとのどが渇きます。これも体内により多くの水分を取り込む一因になります。

お酒のおつまみも塩分が高めになりがちですので、飲酒の際には、アルコールと塩分の摂り過ぎに注意しましょう。

睡眠不足、運動不足、ストレス

睡眠

長時間デスクワークをしていると、ふくらはぎや足の甲がパンパンになっていることがありますよね。これもむくみの1つです。

筋肉の動きで血流が全身に巡って行くはずが、同じ姿勢を続けていると、重力により水分が下から上に行きにくくなり、足の血流が低下してしまうのです。

長い時間同じ姿勢を続けなければならない時は、こまめにストレッチなどを行って筋肉を動かすと良いでしょう。

また睡眠不足やストレスを溜め込むことも、血液の循環が低下し血行不良の原因になります。

その結果むくみを引き起こす可能性が高まりますので、毎日十分な睡眠時間をとりましょう。

リラックスしやすい環境を作って、むくみの原因を取り除くことが大事です。

コーヒーはむくみに効く

コーヒー豆

軽度なむくみは見過ごされてしまいがちですが、放っておくと常態化する可能性も考えられます。

放置すると、ボディラインが崩れてしまったり、血流が悪いために冷え性を招いたりする恐れもあります。

そんなむくみをコーヒーで解消できれば嬉しいですよね。

実はコーヒーはその可能性を秘めていると言われています。

コーヒーとむくみの関係を見ながら、その理由をご紹介しましょう。

コーヒーでむくみが解消される理由

滞留している水分を利尿作用により解消する

トイレ

むくみの原因は、体内の水分量のバランスが崩れてしまうことでしたよね。

水分は体内で一定の量を保ちながら、細胞と血管の中を行き来しています。バランスが崩れてしまうと、栄養補給や老廃物除去の働きが滞ってしまいます。

特定の場所に水分が滞留することは、その機能が損なわれていること。

そんな溜まり過ぎた水分の解消に働きかけてくれるのが、コーヒーに含まれるカフェインの利尿作用です。

体内の老廃物や不要になった水分が、腎臓を経由し尿として排出されます。水分量のバランスが正常通りに保たれると、むくみが改善されます。

交感神経の働きを促して水分循環をよくする

自律神経

交感神経と副交感神経のバランスを保つことも、とても大事なことです。

これが崩れると自律神経の働きが低下し、水分代謝が滞ってしまいます。これはむくみを招く原因になります。

コーヒーに含まれるカフェインは交感神経の働きを促してくれる大事な要素の1つ。

カフェインを取り込むと交感神経が刺激され、水分循環が良好になります。

つまりコーヒーを飲むことは水分代謝が活発化され、むくみの解消に働きかけてくれるのです。

[関連]コーヒーとは?誕生の歴史や栽培過程、種類や健康効果について

コーヒーでむくみ解消するための飲み方

①1日あたり3~5杯を目安にする

飲む 休憩

一般的に、コーヒーのカフェイン含有量は、100mlあたり約60mgと言われています。

品種によっても数値が異なり、アラビカ種が0.8%~1.4%、ロブスタ種が1.7%~2.4%とロブスタ種の方がかなり多く含まれています。

カフェインは体にさまざまな作用を発揮してくれますが、むくみを解消したいがために、コーヒーを必要以上に飲むことは危険です。

WHO(世界保健機関)や欧州食品安全機関などでは、体に悪影響のないカフェインの最大摂取量を400mg/日と定めています。

120mlサイズのカップなら1日3杯程度、 60~80mlサイズのカップなら5杯程度が目安になりますね。この範囲内でむくみ解消を目指しましょう。

[関連]コーヒーは1日何杯までが適量か詳しく解説!

②カリウム不足を避けるために食生活も意識する

食生活

むくみ解消には食事からのアプローチも大切です。有効なのがカリウム。

カリウムは体に必要な栄養素の1つで、ナトリウムを体外に排出する作用があり、塩分の摂り過ぎを調節してくれる役割があります。

1日あたりの必要摂取量は、男性3,000mg以上、女性2,600mg以上が目安(※1)。

カリウムは野菜類や果実類のほか、肉類や魚介類、乳類など多くの食べ物に含まれています。

コーヒー液の中にも100g中65mg程度のカリウムがあります。

コーヒーを飲む際の1日の目安量が3~5杯ですので、コーヒーによるカリウムの摂取量は1日あたり234mg~260mgが限度。

他の食べ物と一緒に、バランスよく摂取すると良いでしょう。

▼参考文献

(※1)厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」策定検討会報告書(表2カリウムの目標量(mg/日)を算定した方法 P11)

③寝る前にはカフェインを摂取しない

寝る前にはカフェインを摂取しない

カフェインはさまざまな効果をもたらしてくれますが、寝る前には逆効果となる場合があります。その1つが覚醒作用。

体内にカフェインが取り込まれると、脳の神経細胞が機能し交感神経が刺激されます。

神経の興奮が高められることで、眠気を感じる睡眠物質の活動が妨害され、眠気が誘発されにくくなってしまいます。

さらにカフェインの利尿作用により、睡眠中にトイレに行きたくなり、起きてしまうこともあります。

睡眠不足はむくみを引き起こす原因の1つとして挙げられていますので、十分な睡眠時間と良質な睡眠をとるためにも、コーヒーを飲むタイミングには注意しましょう。

[関連]夜に飲みたいコーヒーランキング

コーヒーがむくみを悪化させるという意見も

コーヒーは、むくみの解消に効果があると期待される反面、ホルモンやタンパク質などの体に必要な物質が影響し、逆にむくみを招いてしまうのではないかという意見もあります。

その理由として考えられる原因をご紹介します。

胃腸の働きが低下してしまう

胃腸の働き

カフェインが交感神経を刺激することで、胃腸の働きを低下させると言われています。

その結果、アルブミンという物質が不足します。アルブミンとは血中タンパク質の1つで、血液中にある数多くのタンパク質の中で最も多く占めています。

このアルブミンの働きは、血管内と外の境界にある半透膜の浸透圧を維持すること。つまり血管内外の水分量を一定に保持するためにはとても重要な物質なのです。

しかしアルブミンが不足する(アルブミン値が低下する)と浸透圧の平衡状態が崩れて、血管内と体内での水分量の調整がうまくいかなくなり、むくみを招いてしまいます。

利尿作用によりカリウムが不足する

バナナ

カフェインの利尿作用は、老廃物や摂り過ぎたナトリウムの排出に効果がある一方、カリウムなどのミネラルやその他の体に吸収されなかった栄養素も一緒に出されます。

カリウムはむくみ防止には大事な栄養素。必要量を不足すると水分コントロールが困難になってしまいます。

さらに尿には水分も大量に含まれているため、体内の水分量も減ります。

カリウム不足と水分流出の結果、細胞内に水分を溜め込む働きが促され、むくみを招いてしまいます。

アルドステロンというホルモンが過剰分泌される

アルドステロン

カフェインの摂取は交感神経を刺激し水分循環を良くする一方、この作用により、同時にアルデステロンというホルモンも分泌されます。

アルデステロンとは体内にナトリウムを蓄積する働きを持ちます。カリウムがナトリウムを排出し、アルデステロンがナトリウムを蓄積することで、体内ではバランスを保っているのです。

またカフェインを摂り過ぎると、アルデステロンが過剰に分泌されナトリウムの蓄積が促進されます。

体内で均衡を保っていたバランスが崩れてしまうと、水分量の不均衡を招き、むくみが生じる可能性が高まります。

コーヒーは正しく適量を飲めばむくみ解消になる

コーヒーに含まれるカフェインが、むくみ解消の手助けに大きく貢献していることが分かりました。

さらにコーヒーのアロマには、副交感神経の優位性を作り出してくれる働きがあり、むくみの原因の1つであるストレス解消にも効果を発揮してくれます。

その一方で、カフェインはむくみを悪化させる可能性もあると言われています。しかしそれは摂り方次第。

どんなものでも摂り過ぎは、身体に悪影響があるもの。適量をしっかりと守って、むくみ解消につなげましょう。

この記事を書いた人

メグアオ

メグアオ

フリーライター

かつてウィーンで本場のカフェ文化に触れ、その後北部タイで薫り高いコーヒーを味わって以来、コーヒーに心魅かれる。その想いが募り、美味しいコーヒーを追求して2年間の東南アジア・東アジア放浪の旅へ。各国カフェタイムの過ごし方はさまざま。カフェ空間が人々にもたらす癒しや活力、その奥深さに魅力を感じながら、コーヒーへの探求心はなおも続く。

-コーヒーコラム
-