モカコーヒーの魅力は何と言っても香り。ひと口含むと芳醇なフレーバーに包み込まれます。
その種類もさまざまで、フルーティーなシトラス系・ベリー系や種々の花を想起させるフローラルなど、銘柄によって多様な香りがあります。
そんなモカコーヒーを身近に楽しみたい方におすすめなのが生豆。
生豆は焙煎豆と比べて鮮度の持続性が高く、モカ本来の特性を自分の手で引き出せる楽しみが加わります。
自分好みの焙煎度合いで、挽き立てのコーヒーを味わえる究極のひと時にもなりますよね。
そこで今回はおすすめのモカコーヒー生豆について、3つのポイントに絞って選び方を解説しますので、ぜひ参考にしてください!
この記事を書いた人
フリーライター
かつてウィーンで本場のカフェ文化に触れ、その後北部タイで薫り高いコーヒーを味わって以来、コーヒーに心魅かれる。その想いが募り、美味しいコーヒーを追求して2年間の東南アジア・東アジア放浪の旅へ。
モカコーヒー生豆の選び方
最古のコーヒーでフルーティーなモカ
モカが生まれたのはコーヒー発祥の地とも言われるエチオピア。歴史は古く、6~9世紀ごろにエチオピアの高原地帯でコーヒーノキが発見されたことから始まります。
その後14世紀にイエメンにコーヒーノキがもたらされ、コーヒー栽培が盛んになりました。
当時、イエメンにあるモカ港から出荷されるコーヒー⾖をモカコーヒーと呼んでいたことが現在にも継承され、イエメン産とエチオピア産をモカコーヒーと総称しています。
一般的にコーヒー栽培には標高1,000m~2,500mが適していると言われ、標高が高いほど薫りの高さとクリアな酸味が際立つ良質な豆に育ちます。
モカコーヒーの生産地は極めて標高が高く、優質な風味が特徴的で、フルーティーな⾹りは世界随⼀とも評されています。香りを存分に堪能できる単体銘柄はもちろんのこと、苦みの強い銘柄や柔らかいテイストの銘柄とのブレンドにも広く利用されています。
品種で選ぶ
病気に弱いが風味が良いアラビカ種
アラビカ種はとても繊細なコーヒー豆。コーヒーノキの葉から蝕んでいく病害虫への抵抗が弱く生育が難しいとされています。
厳しい栽培条件の中、手間暇をかけて丹念に育て上げられたその味と香りはとても上質です。
さらに長年の品種改良の研究と相まって生産性も上がり、今では数多くの品種が栽培されています。
個性的で風味の優れた品種が多様にありますので、お気に入りの銘柄を探しやすいとも言えますね。
モカもアラビカ種の銘柄のひとつ。種類も多く産地によって特徴も異なりますので、一つひとつ味わってみるのも楽しいですよ。
病気に強く苦味のあるロブスタ種
ロブスタ種は病害虫への耐性があり、生存力の高い品種として知られています。
その理由の1つがカフェイン含有率の高さ。アラビカ種よりも苦味が強く、パンチの効いた味わいが特徴です。
アラビカ種に比べて風味は劣るものの、生産性が高く標高500mほどの低地でも育つなど、栽培環境に大きく左右されにくい品種です。
ロブスタ種は比較的安価で、インスタントコーヒーなどで使われるのが主流ですが、モカとロブスタ種がブレンドされたモカブレンドも販売されています。
モカ豆が加わることで、ロブスタ種の苦味にモカ特有の香りや酸味が重なったテイストを、気軽に味わえるのは嬉しいですね。
精製方法で選ぶ
果実感の強いナチュラル製法
コーヒーの風味に影響を与えるのは、品種や栽培環境、焙煎方法だけではありません。精製も重要な要素のひとつです。
昔ながらの伝統的な精製方法であるナチュラル製法は、収穫したコーヒーチェリーを自然乾燥してから脱穀する手順を踏みます。
このプロセスを経ることで、コーヒーチェリーの甘みや香りが豆に残り、果実感たっぷりのフレーバーを醸し出すことができるようになるのです。
エチオピアやイエメンでは比較的乾燥した地域であることから、ナチュラル製法を採用する生産地が多くあります。
ナチュラル製法はモカの優美なフレーバーを活かした製法とも言えそうですね。
クリアで雑味のないウォッシュド製法
ウォッシュド製法はコーヒーチェリーの果肉を取り除いて水洗いする製法です。
ナチュラル製法では自然乾燥を行う過程で、カビや発酵臭が発生するなど品質が落ちてしまう側面があります。
このことから、この製法に適さない生産地域ではウォッシュド製法が採用されています。
ウォッシュド製法で仕上げられたコーヒー豆は、雑味がなくすっきりとした味わいと洗練された酸味が特徴的です。
果肉感と甘みのあるハニープロセス製法
ハニープロセス製法はナチュラル製法とウォッシュド製法、それぞれの良い部分を取り入れた精製方法です。
コーヒーチェリーの果実を取り除いた後、種の表面に残っているネバネバ成分(ミューシレージ)を洗い切らずに、少し残すのが特徴です。
その後乾燥させることで、ミューシレージの糖分がコーヒー豆に浸透し、甘みが豊かな風味に仕上がります。
ハニープロセス製法では、ミューシレージの量によって、ホワイト・イエロー・レッド・ブラックの4種類に分けられ、色が濃くなるほど、香りと甘みの度合いが強くなります。
コーヒー独特の風味が出るスマトラ式
インドネシア独自の精製方法で、スマトラ島で生まれたことからスマトラ式と呼ばれています。
インドネシアは年間雨量の多い地域で高温多湿。その地域特性から、果肉を除去後ミューシレージが残った半乾きの状態で脱穀し、再度乾燥させます。
他の精製方法の脱穀は水分量が10~15%程度ですが、スマトラ式は30%程度で脱穀します。
最終的に20%程度まで乾燥させるものの、水分を多く含んだ生豆となるため、傷みやすくとてもデリケートなのが特徴です。
しかしそこには、スマトラの風土に適合した精製方法によって生み出された、野性味溢れる個性的なマンデリンの由縁があるとも言えるのです。
内容量で選ぶ
お手軽に試せる100g~500g
コーヒー豆を購入する際、どのくらいの内容量がベストなのかを考えてしまいますよね。
初めて購入する銘柄なら、まずは少量から試してみるのが無難と言えます。
100g~500gの範囲で販売されているコーヒー豆は多く、値段も内容量に沿ってお手ごろ感のあるラインナップになりますので、いろいろな銘柄を楽しみたい方にはおすすめの選択肢です。
またコーヒー豆は鮮度がとても大事。パッケージ開封後は、時間の経過とともにコーヒーの香りや味が劣化していきます。
一般的にペーパーフィルタでドリップする場合、140ccのカップ1杯では10~12gのコーヒー粉が目安です。
あまりコーヒーを飲む機会が多くない場合は、1杯分の分量から飲みきれる量を考えて、少量や小分けのパッケージを選ぶことをおすすめします。
コスパが強い1kg以上
お気に入りの銘柄を一日に何度も飲みたい!という方におすすめなのが、1kg以上のパッケージです。
1kg以上で販売されているパッケージは、同じ銘柄でも少量パッケージと比べてグラム当たりの単価が安くなりやすい傾向があります。
ボリュームたっぷりでコストパフォーマンスが良く、買い足しの頻度も抑えることができるため、手間もかかりにくいのは高ポイントですね。
とはいえコーヒーはとてもデリケート。賞味期限切れが気になるところですよね。
生豆は品質によって誤差はありますが、通気性が良く直射日光に当たらない場所で適切に保存すれば、3年間ほどは美味しい状態で保存可能。その上焙煎豆よりも保存方法が簡単です。
たっぷりサイズを購入しても、それほど焦ることなくコーヒーを味わえますね。
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モカコーヒー生豆のおすすめランキング
No.1 松屋珈琲 エチオピア モカシダモG2
1KG入りでたっぷり楽しめるフルーティフレーバーの贅沢モカ
エチオピア産コーヒーの代表格に位置づけられるモカシダモ。標高2,000mで育てられた銘柄で、等級評価基準5段階のうち、上から2番目のG2です。
比較的かわいらしい小粒サイズで、ウォッシュド製法が採用されています。
シトラス系のスッキリとした香りと味わいを持ち、渋みのないほどよい飲み心地です。
容量はたっぷりサイズの1kg。本場のモカコーヒーを、家族や友達と一緒に楽しんでみてはいかがでしょうか。
レビュー
- 酸味
- 苦味
- 甘み
- 香り
- コク
- コスパ
▼商品情報
内容量 |
1kg |
産地 |
エチオピア |
焙煎 |
生豆 |
品種 |
アラビカ種 |
No.2 松屋珈琲 モカマタリNo.9
気品の極みともいえる馨しい風味のモカマタリ
標高3,000mにも及ぶイエメンの山岳地帯で栽培されるモカマタリ。
急峻な斜面の土地で力強く生育したコーヒーノキは、原生種ならではの独特の風味を持ちます。
上品な甘い香りとフレッシュな後味が、モカマタリに気品をもたらしています。
コーヒーの貴婦人とも称される、清楚で華やかな香りを1kgパッケージで購入できる贅沢な逸品です。
レビュー
- 酸味
- 苦味
- 甘み
- 香り
- コク
- コスパ
▼商品情報
内容量 |
1kg |
産地 |
イエメン |
焙煎 |
生豆 |
No.3 コーヒーマーケット モカ イルガチェフェ ナチュラル G-1
生豆からアロマが漂うエチオピア・イルガチェフェ産のモカ
高品質を誇るエチオピア・イルガチェフェ産のモカ。ナチュラル精製により、生豆の状態からでもフレッシュフルーティなモカフレーバーが際立ちます。
香りを楽しむコーヒー豆とも言われ、どの焙煎度合いにも対応可能。
浅煎りでは上品な酸味と香り深煎りでは、ほどよい甘さと濃厚なコクを味わえます。
1kg入りパッケージで、多様な味わい方を楽しめるのは嬉しいですね。
レビュー
- 酸味
- 苦味
- 甘み
- 香り
- コク
- コスパ
▼商品情報
内容量 |
1kg |
産地 |
エチオピア |
焙煎 |
生豆 |
品種 |
アラビカ種 |
No.4 Dr-i-gama モカ イルガチェフ
じっくりと甘みを成熟させたフローラルフレーバーのモカ
エチオピア・イルガチェフェ産のモカコーヒーです。標高の高い地域で栽培されたモカは、気温の寒暖差が大きくその影響を受けて成熟期間がゆっくりです。
コーヒーチェリーになる頃には甘みが熟成され、フローラルの香りが宿ります。
香りとコクが濃厚なタイプですが、ウォッシュド製法での精製により、ほどよい酸味と甘みが魅力を引き立てています。
レビュー
- 酸味
- 苦味
- 甘み
- 香り
- コク
- コスパ
▼商品情報
内容量 |
1kg |
産地 |
エチオピア |
焙煎 |
生豆 |
品種 |
アラビカ種 |
No.5 コーヒー生豆 モカ シャキッソ G-1 ナチュラル
最上級グレードQ1の上質なモカコーヒー豆
エチオピア・シダモ地方にある、シャキッソ村のTadeGG農園で栽培されるモカコーヒー。柑橘系の爽快な酸味と優しい甘みが特徴的です。
品質が非常に高く、国の機関であるECX (Ethiopian Commodity Exchange)で最上級グレードQ1の認証を受けています。
化学肥料・農薬、遺伝子組換え種苗を一切使用せず、安全性と信頼性の高さを誇る、厳選されたシングルオリジンのコーヒー豆です。
レビュー
- 酸味
- 苦味
- 甘み
- 香り
- コク
- コスパ
▼商品情報
内容量 |
2kg |
産地 |
エチオピア |
焙煎 |
生豆 |
品種 |
アラビカ種 |
No.6 焙煎工房 豆太 モカ イルガチャフェ ウォッシュド G2
地場品種を味わえるエチオピア産モカコーヒー
エチオピア・シダモ地方のイルガチェフェ産G2グレードのモカコーヒーです。
主に地場品種であるウォリショ種・クドマイ種が採用され、比較的小粒なのが特徴。
エチオピア産豆はナチュラル精製が多い中、こちらはウォッシュド製法による精製方法でクリアな味わいを楽しめます。
焙煎を調整しやすく、浅煎りでも深煎りでも豊かなモカのアロマ感を香り立たせます。
レビュー
- 酸味
- 苦味
- 甘み
- 香り
- コク
- コスパ
▼商品情報
内容量 |
1kg |
産地 |
エチオピア |
焙煎 |
生豆 |
品種 |
アラビカ種 |
No.7 GRATEFULCOFFEE エチオピア モカ レケンプティー
ストレートでもブレンドでも風味が引き出されるモカコーヒー
モカレケンプティーはエチオピア西部のウオレガ地方で栽培されるモカコーヒーです。
この商品は10月〜3月に収穫された豆を採用していますが、レケンプティーは収穫時期や年度などによって香りや風味などが異なるのです。
その時期ならではの味わいに出会うことができますよ。
また、ナチュラル精製により、フルーティーな酸味とモカ特有の甘い香りがダイレクトに伝わります。
レビュー
- 酸味
- 苦味
- 甘み
- 香り
- コク
- コスパ
▼商品情報
内容量 |
1kg |
産地 |
エチオピア |
焙煎 |
生豆 |
品種 |
アラビカ種 |
No.8 茜珈琲 モカ・イルガチェフ
少量パッケージで手軽に試せるモカ・イルガチェフ
優しい甘みと酸味・苦味・香りの調和がとれた飲み心地のよいモカコーヒーです。
厳しい基準の品質管理で定評のある、イルガチェフェ産のコーヒー豆をウォッシュド製法により精製。
フローラルフレーバーに、雑味のない爽やかな味わいがプラスされています。
200gの少量パッケージでありながらも約14~20杯分も楽しめるボリュームで、モカ・イルガチェフェの上品な味わいを試してみたい!という方にはピッタリのサイズですね。
レビュー
- 酸味
- 苦味
- 甘み
- 香り
- コク
- コスパ
▼商品情報
内容量 |
200g |
産地 |
エチオピア |
焙煎 |
生豆 |
品種 |
アラビカ種 |
モカコーヒー生豆の一覧表
モカフレーバーは唯一無二のフレーバーなので、ぜひ一度味わってみてください。
香りの良さと味の良さはもちろんのこと、甘酸っぱい優雅なコーヒーを体験していただけますよ。
No | 商品 | 商品名 | 参考価格 | 購入先 | 内容量 | 産地 | 焙煎 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 松屋珈琲 エチオピア モカシダモG2 |
2,008円 |
1kg | エチオピア | 生豆 | ||
2 | 松屋珈琲 モカマタリNo.9 |
2,126円 |
1kg | イエメン | 生豆 | ||
3 | コーヒーマーケット モカ イルガチェフェ ナチュラル G-1 |
2,900円 |
1kg | エチオピア | 生豆 | ||
4 | Dr-i-gama モカ イルガチェフ |
2,600円 |
1kg | エチオピア | 生豆 | ||
5 | コーヒー生豆 モカ シャキッソ G-1 ナチュラル |
4,980円 |
2kg | エチオピア | 生豆 | ||
6 | 焙煎工房 豆太 モカ イルガチャフェ ウォッシュド G2 |
1,674円 |
1kg | エチオピア | 生豆 | ||
7 | GRATEFULCOFFEE エチオピア モカ レケンプティー |
1,680円 |
1kg | エチオピア | 生豆 | ||
8 | 茜珈琲 モカ・イルガチェフ |
1,000円 |
200g | エチオピア | 生豆 |
モカはどんな焙煎でも美味しい風味が楽しめる
モカコーヒーの極めて魅力的な要素は香り。その香りは種類や系統、香り立ちなどこと細かく分かれています。
モカコーヒーにはさまざまな銘柄があり、香りが一致することはなく、栽培環境や生産地、精製方法によっても多様な味わいをもたらします。
モカ豆は浅煎りから深煎りまでどんな焙煎にも相性がよく、美味しさは変わりません。
豆単体でストレートフレーバーを味わうこともできれば、ブレンドとしても華やかさを維持した風味を堪能できる、素晴らしい特性を持っています。
ぜひ今回ご紹介したおすすめのコーヒーを参考に、風味の優れたモカコーヒーをさまざまな味わい方で楽しんでみてください。
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この記事を書いた人
フリーライター
かつてウィーンで本場のカフェ文化に触れ、その後北部タイで薫り高いコーヒーを味わって以来、コーヒーに心魅かれる。その想いが募り、美味しいコーヒーを追求して2年間の東南アジア・東アジア放浪の旅へ。各国カフェタイムの過ごし方はさまざま。カフェ空間が人々にもたらす癒しや活力、その奥深さに魅力を感じながら、コーヒーへの探求心はなおも続く。