最も高級なコーヒーの1つとして知られるゲイシャ種。希少価値が高く、優れた品種として世界でも注目されています。
ではなぜそれほどまでにゲイシャ種は珍重されるのでしょうか。
この記事ではそんなゲイシャ種の特徴や味わい、そして歴史について説明していきます。
また、ゲイシャ種のおすすめ商品もご紹介。今とても気になるゲイシャ種について詳しく知りましょう。
この記事を書いた人
コーヒー豆のゲイシャ種とは
日本の芸者とは全く関係がなく、地名に由来しています。
昨今スペシャルティコーヒーの世界で最も注目を集めている品種。
唯一無二の風味・特性があるため大変人気が高いコーヒーです。
一方、栽培がとても難しく生産性が低いため貴重なコーヒーとなっており、常に高額で取引がなされています。
アラビカ種に属するコーヒー品種のひとつ
ゲイシャは、栽培品種であり植物分類の1つです。
わかりやすくお米で例えると、イネを分類する「コシヒカリ」や「あきたこまち」などといった品種がコーヒーでいうゲイシャ種に当たります。
コーヒー豆は生育しやすいよう、何度も品種改良されるのが一般的。
しかしゲイシャ種は原種に最も近いコーヒー豆だと言われています。
[関連]アラビカ種のコーヒー豆の特徴と品種について解説します。
エチオピアのゲシャ地区が原産地
由来はコーヒー発祥の地でもある、エチオピアのゲシャ地区で自生していたものが発見されたことから。
ゲシャ種がやがてゲイシャ種と呼ばれるようになりました。
現地に出入りした日本人業者がゲイシャと聞き間違えたことで広まった、というおもしろい説もあります。
[関連]コーヒー豆にはどんな品種があるの?産地や育て方の違いを解説します。
コーヒー豆のゲイシャ種の歴史
1931年にエチオピアで発見される
コーヒー豆の品種としての歴史はまだ浅いゲイシャ種。エチオピア南西部が原産となっています。
発見後、同じアフリカの優良生産国・ケニアやタンザニアへも伝わっていきました。
1950年代に中南米へと渡る
アフリカを経由し、コスタリカの農学研究所へ持ち込まれたゲイシャ種。
南米のコーヒー産業振興のために多種のコーヒー豆が集められたうちの1つだったと言われています。その後、コスタリカからパナマへ。
当時コスタリカの栽培地ではゲイシャ種の生育環境にはあまり適さなかったため、その後長らく見捨てられた状況に。
パナマ国内では生産が続けられていました。
1970年代には収穫量と病気で市場から消え去る
パナマ国内では生産が続けられていたものの、ゲイシャ種は収穫量が少ないため非効率的だと考えられていきました。
高収穫量の品種が好まれ、せっかく広まりつつあったゲイシャ種は埋もれてしまうことに。
さらにパナマ以外の中南米諸国では「さび病」という、コーヒー生産者が最も恐れる植物病が大流行してしまいます。
当然ながらコーヒーの生産量が激減。収穫量が少なく、病気にも見舞われたゲイシャ種は壊滅的な状況に陥りました。
2004年の品評会で過去最高額の落札額を記録
ゲイシャ種の栽培を続けてきた数少ない農園が、パナマにあります。
この農園が2004年に行われた国際品評会にゲイシャ種を出品したところ、大変な驚きと感動を獲得しました。
かつてない高評価を得て世界最高額で落札されたのです。
一躍有名になったゲイシャ種は、現在も最高価格を更新。品質・価格ともに他のコーヒーを寄せつけないほどの不動の地位を獲得しています。
コーヒー豆のゲイシャ種の特徴
パナマのエスメラルダ農園産のゲイシャ種で有名になる
国際的な品評会に初めてゲイシャ種を出品したパナマ・エスメラルダ農園。いわば、ゲイシャ種のパイオニアです。
エスメラルダ農園のゲイシャだけでオークションが開かれるなど、その高品質さゆえに特別扱いがなされるほど。
標高1,600mほどに位置する栽培環境に恵まれたこの農園は、こだわりの生産姿勢にも定評があります。
豊かな自然はもちろん、エスメラルダ農園の人々のたゆまぬ努力が世界最高峰とされるゲイシャ種を生み出しています。
同時にパナマ産コーヒー豆も高評価を得る
それまでパナマ産のコーヒーはあまり高い評価を得ることができませんでした。質は高いが、個性に乏しいとされてきたのです。
しかし、ゲイシャ種というインパクトのある品種を送り出したことにより評価は一変。
今まで平凡とされてきた分その衝撃は大きく、世界から大注目を集めます。
ゲイシャ種は、上質なものの多いパナマ産のコーヒーが見直されるきっかけにもなりました。
収穫量がとても少なく、希少価値が高い
ゲイシャ種がうまく育つための土壌は限られています。
育てにくさもあり、また生産量が大変少ないのもゲイシャ種の特徴。
気候や環境はもちろんですがどれほど丁寧に育てるか、という農園が持つ栽培技術も大きく影響します。
そのため希少性がとても高いものになりました。
そもそもゲイシャ種を栽培している農園が少ない
収穫量が少なく、育て方の難しいゲイシャ種を栽培する農園は多くありません。
それは高収穫の品種を育てた方が利益につながることや、確かな技術が必要とされるなどの理由。
また、栽培に適した環境が限定されてしまうためでもあります。
限られた農園でのみ栽培されることもあって、ゲイシャ種はコーヒー通の間で神格化されるようになっていきました。
ゲイシャ種の主なコーヒー生産国
一躍有名になったパナマ
ゲイシャ種を1日にして有名にしたエスメラルダ農園を筆頭に、いくつかの農園でのみ生産されています。
コーヒー栽培の歴史は浅いものの、パナマは国土の80%が山岳地帯であるという栽培に適した環境。
この標高の高さが昼と夜の寒暖差を生み、実のひきしまった良質なコーヒーをつくり出しています。
パナマ・ゲイシャはやはり別格であり、質が違うとされる高級品。
特にエスメラルダ農園のものは、味や香りはもちろん、入手自体も非常に難しいことでも有名です。
コーヒー発祥の地エチオピア
ゲイシャ種が発見されたエチオピアですが、コーヒーそのものの発祥の地でもあります。
素晴らしい自然環境で、上質なコーヒーを多く生み出しているエチオピア。
パナマでその価値を見出されたゲイシャ種ですが、原産国エチオピアでも生産がされるようになりました。
原種が育った国でしか出せない味、香りはパナマ・ゲイシャより好みという人も。
ゲイシャ種のみに特化した農園があり、もともと自生した森から直接採取したものを栽培しています。
栽培拡大を担ったコロンビア
コロンビアはパナマとも陸続きであり、もともと品質の高いコーヒーの産地でもあります。
コーヒー栽培に適した風土・環境があり、技術も備わっている農園が多いことからゲイシャ種を栽培するところが多くなっていきました。
コロンビア産のゲイシャは、パナマ産と比べて価格が抑えめであることから比較的入手がしやすくなっています。
パナマとはまた少し違った、素晴らしいゲイシャ種を生み出しています。
コーヒー豆のゲイシャ種の味わい
ゲイシャコーヒーといえば、まずはその香り。香水と言われるほどのフローラルなアロマが特長です。
ジャスミンやアールグレイのような甘く爽やかで、華やかな香りが漂います。
オレンジなど柑橘系のフレッシュな酸味も魅力。そしてはちみつのような濃厚な甘みがあります。
繊細で複雑な味わいのため、初めて飲んだ方はいつものコーヒーとのあまりの違いに驚くはずです。
ゲイシャ種のおすすめコーヒー豆BEST3
No.1 Scrop COFFEE ROASTERS パナマ ゲイシャ
最高峰・エスメラルダ農園の希少な味を
2004年、世界に衝撃を与えたパナマ・エスメラルダ農園のロットです。
パンチのある華やかさ、クリーンな味わいはこれこそがゲイシャ種の最高峰といった味わい。
秀逸でフローラルなアロマと柑橘系を思わせる酸味を最大限に引き出す焙煎をしています。
希少価値が極めて高く、他には無い際立つ風味をぜひ味わってみてください。
レビュー
- 酸味
- 苦味
- 甘み
- 香り
- コク
- コスパ
▼商品情報
内容量 |
100g |
産地 |
パナマ |
焙煎 |
中煎り |
品種 |
ゲイシャ種 |
No.2 自家焙煎コーヒーマウンテン パナマ・ボケテ
優しい酸味とすばらしい甘み
1口飲んでみると、その軽やかな味わいに驚くこと間違いなしです。
非常にハイレベルなバランスで、パナマ・ゲイシャらしい特徴が存分に感じられます。
ソフトな酸味と甘みがあり、渋みはゼロ。ライトな味わいは、フルーツを使ったスイーツとのペアリングもおすすめです。
苦みがかなり抑えられているため、とても華やかな後味です。
レビュー
- 酸味
- 苦味
- 甘み
- 香り
- コク
- コスパ
▼商品情報
内容量 |
300g |
産地 |
パナマ |
焙煎 |
中煎り |
品種 |
ゲイシャ種 |
No.3 澤井珈琲 ゲイシャブレンド
パナマ・ゲイシャを贅沢に使用したオリジナルブレンド
気品のある紅茶のような香り。完熟した柑橘フルーツのような爽やかな甘みと深いコクが絶妙にマッチしています。
専門店がこだわりたっぷりにブレンドした、唯一無二の味わいが楽しめます。
希少価値の大変高い、パナマ産のゲイシャ種を使用しているため数量限定の商品。
香り高く、感動的なおいしさをぜひ味わってください。
レビュー
- 酸味
- 苦味
- 甘み
- 香り
- コク
- コスパ
▼商品情報
内容量 |
500g |
産地 |
パナマ |
焙煎 |
独自焙煎 |
品種 |
ゲイシャ種 |
ゲイシャ種に関する注意点
ゲイシャ種であっても生産地によって味わいが異なる
フルーティーなフレーバー、フローラルな香りが特徴のゲイシャ種。
しかし、産地によって微妙に味が変化します。それはやはり生育環境・風土が異なると、味わいにも影響が出るため。
最も代表的で希少なパナマ産は強い香気があり、風味が華やか。
一方、エチオピア産はそれほど酸味が強くなく甘みがまろやかと言われています。
また、その生産国の行っているコーヒー豆の精製方法も味に大きく影響してきます。
どのようなゲイシャ種であるか、しっかり確認することでより美味しく味わえるのではないでしょうか。
ただしパナマ産ゲイシャ種ならプレゼントにも最適
ゲイシャショックと言われるほどのインパクトで世界にその名を知らしめた、パナマ産のゲイシャ種。
やはりその独特の味わい、上質さは段違いとされています。
希少価値も高く高級なため、価格もそれに比例しますがコーヒー好きはもちろん、そうでない方も興味を大いにひかれる豆であることは間違いありません。
パナマ・ゲイシャとしてのブランド力は圧倒的。ハイクオリティなコーヒーはプレゼントに最適です。
ゲイシャ種コーヒーのおすすめの飲み方と淹れ方
浅煎り寄りの焙煎度合いにしておく
上品な香りと繊細な風味を楽しみたいゲイシャ種。
そのためシナモンからミディアム程度の焙煎度合いがおすすめです。
風味を引き立たせるため、そしてゲイシャ種の個性を楽しむためには浅煎り程度が最も適しています。
ライトでクリアな口当たりと、華やかな風味を感じられますよ。
砂糖やミルクは入れずにブラックで
ゲイシャ種は豆本来の甘みがとても強い品種です。そのため、ミルクや砂糖を入れずにぜひブラックで味わいましょう。
豊かな風味、華やかな香りが存分に楽しめること間違いなしです。
いつものコーヒーとは全く違う味わい、ゲイシャ種ならではの繊細さがクセになるのではないでしょうか。
人気のコーヒーアイテムをランキング形式で厳選してご紹介!
ランキングをチェックする
▼あなたにおすすめの記事▼
この記事を書いた人
編集部ライター・営業
コーヒーフレーバーのお菓子は見かけたら必ず買ってしまうほど大好きです。コーヒー好きの両親の影響で、中学生からドリップしていました。カフェや喫茶店はもちろんですが、子どもがいるため自宅でゆっくりとコーヒーを楽しんでいます。