コーヒー豆は通常、生豆(なままめ、きまめ)といって薄緑色をしています。
生豆を飲むためには、適切に焙煎する必要があり、通常ならお店がやってくれます。
この工程を自宅で行うこともできるので、コーヒー焙煎機を使って自分好みに味わいを調整することもできるんです。
そこで今回は、コーヒー焙煎機を使って焙煎する方法や、ロースター器具などの使い方をご紹介しますね!
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コーヒー豆の焙煎とは
焙煎という言葉自体は一般的な用語ですが、コーヒー豆は必ず焙煎する必要があります。
収穫した状態のコーヒー豆は飲める状態でなく、精選や焙煎を通して飲めるようになっていきます。
この過程は通常、購入するお店などがやってくれているので、自宅で行う機会はあまりありません。
しかしコーヒーを追求していくと、この焙煎すらも自宅で行えるようになってきます。
薄緑色のコーヒー豆を茶色くしていく、この工程がコーヒー豆の焙煎です。
[関連]コーヒーとは?誕生の歴史や栽培過程、種類や健康効果について
コーヒー豆を焙煎する理由
コーヒーは生豆のままだと美味しくない
そもそもなぜ、コーヒー豆を焙煎しなければいけないのか。
その理由は、生豆の状態だとズバリ美味しくないからです。
生豆の状態のコーヒー豆は、味も香りもほとんど感じられず、そのまま挽いても美味しく飲めません。
そのため、コーヒーを飲むためには必ず焙煎する必要があるんです。
焙煎することでコーヒーの風味が変わる
コーヒー豆は焙煎することによって、様々な味や香りを引き出されていきます。
引き出されていくコーヒーの味や香りは、美味しい酸味や美味しい苦味に変わっていきます。
「酸味、苦味、甘み、香り、コク」など、様々な美味しい風味を引き出せますよ。
[関連]コーヒーの酸味について美味しい味わい方や抑える方法などを解説します。
[関連]コーヒーの苦味の原因や調整方法、おすすめの豆をご紹介します。
コーヒー豆の焙煎度合い
コーヒー生豆を焙煎する前に、焙煎度合いを知っておきましょう。
細かく分けていく焙煎度合いは8段階ほどあり、時間をかけると生豆は黒くなっていきます。
最初が浅煎り、そしてバランスの良い段階が中煎り、最後が深煎りです。
ライトロースト(極浅煎り)
ライトローストは生豆状態からほぼ変わっておらず、適度に茶色がかった程度のコーヒー豆です。
この段階では焙煎特有の香りや味わいは出て来ないので、ライトローストで飲まれる機会はあまりありません。
シナモンロースト(浅煎り)
シナモンローストぐらいからは徐々に飲めるようになってくるので、ライトローストよりも茶色が強くなります。
酸味がかなり強い段階なので、青さの残る風味が好きな方にはおすすめできます。
ミディアムロースト(中浅煎り)
浅煎りの中ではもっとも飲みやすいのが、中浅煎りというミディアムローストになります。
とても強い酸味と爽やかな香りを味わえて、アメリカンコーヒーなどにも利用されます。
ハイロースト(中煎り)
ハイローストは中煎りといい、酸味や苦味のバランスがもっとも良い焙煎度合いです。
一般的には広く飲まれる焙煎度合いなので、迷ったらハイローストがおすすめです。
シティロースト(中深煎り)
シティローストはハイローストよりもやや焙煎した、中煎りに近い焙煎度合いです。
酸味や苦味のバランスを持ちつつも、やや苦味が強くなり、コクも楽しめます。
フルシティロースト(深煎り)
コーヒー豆が黒っぽくなってくる焙煎度合いが、深煎りというフルシティローストです。
このあたりからは酸味が消えていき、苦味やコクがしっかりと感じられるようになります。
フレンチロースト(深煎り)
フレンチローストはかなり強い苦味が出てきており、カフェオレなどにも使われる焙煎度合いです。
独特の香りも持ち始めるので、芳ばしさを感じつつブラックでも楽しめる段階です。
イタリアンロースト(極深煎り)
コーヒー豆が真っ黒になってくるのが、極深煎りのイタリアンローストです。
どっしりとした苦味とコク、そして焦げた香りを楽しめるので、エスプレッソなどに適しています。
コーヒー豆の自家焙煎方法
それでは実際に、どういった手順で自家焙煎をするのか見ていきましょう!
1. 焙煎に必要な準備物を用意する
最初に、コーヒー豆焙煎するために必要な器具などを準備します。
用意すべき準備物としては、コーヒーの生豆はもちろんのこと、焙煎器具一式が必要になります。
自宅にあるもので揃えられるものもありますが、中には持っていないものもありますよね。
全てが必須なわけではありません。しかし、安全な焙煎のためには必要なアイテムたちです。
- コーヒー生豆
- コーヒー焙煎機(手網やフライパンなど)
- ザル
- ガスコンロ、ガスバーナー
- 冷却用ドライヤー(扇風機など)
- 軍手
2. 網に生豆を入れる
焙煎するコーヒー生豆の量を量ったら、手網に入れていきます。
手網の内容量に対して生豆を入れすぎないよう、適度な量に調整します。
ここで入れすぎてしまうとうまく焙煎できないので、適度に隙間があくようにしましょう。
3. コンロやバーナーの火にかける
手網のフタを閉めたら、実際にコンロやバーナーを使って焙煎していきます。
コーヒー生豆を焙煎していくと薄皮(チャフ)というものが飛ぶので、場所によっては仕切りを使って防ぐようにします。
ここからは火を使うことになるので、周囲の環境に注意しましょう。
4. ハゼをよく聞いて焼き加減をチェック
コーヒー生豆を10分ほど焙煎していくと、“パチパチ”といった音が聞こえてきます。
これをハゼ(爆ぜ)と言います。
このハゼが聞こえてきたら、浅煎りから中煎りあたりの焙煎度合いになっています。
5. 焙煎後にはしっかり冷ます
焙煎が終わったらドライヤーの冷風などを使い、急冷するようにしましょう。
コンロから引き上げてもコーヒー豆には熱がこもっており、徐々に焙煎が進んでしまいます。
適切な焙煎度合いで終わらせるためには、必ず急冷させるようにします。
コーヒー焙煎のブレンド方法
コーヒー生豆を焙煎するときには、1種類の豆を使ったストレート以外だと2種類の方法があります。
コーヒー豆をブレンドするならば、次の2種類から選びましょう。
事前にブレンドするプレミックス製法
プレミックス製法とは、生豆の状態でブレンドしてから焙煎する方法です。
最初にコーヒー生豆をブレンドしておくので、コーヒー豆を均一に焙煎できます。
異なる個性を持ったコーヒー生豆に対し、統一感を出すことができる方法です。
焙煎後にブレンドするアフターミックス製法
アフターミックス製法とは、コーヒー生豆を焙煎した後にブレンドする方法です。
コーヒー豆を種類ごとにわけて焙煎し、焼き上げた後にブレンドしていきます。
統一感は出ませんが、豆ごとの特徴を最大限に引き出すことができます。
コーヒー豆を自家焙煎するコツ
焙煎中は細かく網を揺する
コーヒー豆を焙煎するときには、焼きムラが出てこないように網を細かく揺すります。
一部にだけ火が当たってしまうと、火が当たっていないところとのバランスを取れなくなります。
最初の3分ほどは水分を含んでいることもあり、色が変わりづらいこともあります。
ハゼの音をチェックして火力を変える
コーヒー豆の焙煎では、パチパチといった音がするハゼは2段階ほどあります。
1回目のハゼは10分ほど経過してから聞こえ始め、この段階で浅煎り~中煎りになります。
浅煎り程度に仕上げるならば1回目のハゼで終わらせ、深煎りを目指すならば2回目のハゼを目安にしましょう。
仕上げる焙煎度合いを先に決めておく
どの程度の焙煎度合いにするのか、というのは焼き始める前に決めておくのがおすすめ。
ハゼが聞こえ始めると一気に焙煎は進むため、悩んでいると焼きすぎることもあります。
焼きすぎて失敗することを避けるためにも、事前に焙煎度合いを決めておきましょう!
コーヒー豆を自家焙煎する際の注意点
薄皮(チャフ)が舞ってしまう
コーヒー豆を焙煎していると、コーヒー豆についている薄皮(チャフ)というものが剥がれ落ちていきます。
手網を揺すりながら焙煎することになるため、この薄皮が飛びやすいことに注意。
コンロ周辺はこの薄皮で汚れてしまうので、環境によっては屋外で焙煎するのがおすすめです。
事前に生豆をハンドピックしておく
あくまでワンポイントですが、生豆を焙煎する前にハンドピックしておくのもおすすめ。
購入した生豆の中には欠点豆が含まれていることもあるので、除いておけばコーヒーにしたとき、クリアな味わいを実現できます。
ただし、欠点豆を見分けるには多少の知識が必要なので、無理に行う必要はありません。
購入するお店で事前にハンドピックされていることも多いですよ。
[関連]コーヒーの欠点豆とは?種類や取り除くポイントについて解説
自家焙煎コーヒー豆を美味しく飲む方法
焙煎してから3~5日は置いておく
コーヒー豆を焙煎したばかりのときには、豆にガスや煙が付着したままです。
これらが抜けていくためには3~5日ほどかかりますので、この期間は置いておきます。
早めに飲みたいときは、豆を挽いて粉にしておけば2~3日で飲めますよ。
焙煎したコーヒー豆は冷蔵保存しておく
焙煎後のコーヒー豆は、購入したコーヒー豆と同じような保管方法がおすすめ。
直射日光を避けて冷暗所で保管するのが大事です。
長期間の保存ならば冷凍庫を使い、短期間ならば冷蔵庫がおすすめです。
[関連]コーヒー豆・粉の保存方法とは?知っておくべきポイントを徹底解説
コーヒー焙煎機の種類
自宅にあるフライパン
もっとも手軽に焙煎できるのが、日常的に利用しているフライパンです。
焙煎に適しているわけではありませんが、使い慣れているアイテムではありますよね。
ただし、フライパンも揺すりながら焙煎しなければいけないため、軽めのものを利用しましょう。
手動で揺らす手動ロースター(手網)
コーヒー焙煎機として手網を使えば、とても手軽に負担少なく焙煎できます。
手網ならばコスパも非常に高く、手網自体の重量も軽めです。
細かく揺すりながら焙煎する必要がある以上、軽い器具であることは重要です。
電気式で動く電動ロースター
電気を使って焙煎するのが、電動のコーヒーロースターです。
手動で焙煎するほどの手間がかからず、豆を回す必要もありませんので手軽です。
自動で回転してくれるものが基本なので、焼き加減を見ながら焼き上げましょう。
生豆をセットしてボタンひとつの自動ロースター
一番簡単なコーヒー豆の焙煎機は、ボタンひとつで行ってくれる自動型のコーヒーロースターです。
コーヒー生豆をセットしてボタンひとつ。指定した焼き加減にしてくれます。
全く手間はありませんが、高価なものが多くなっています。
コーヒー自家焙煎のおすすめ器具
No.1 ハリオ コーヒーロースター・レトロ RCR-50
コーヒーアイテムといえば、国産のコーヒーアイテム製造・販売メーカーで知られるハリオです。
このコーヒーロースター・レトロならば、アルコールランプなどでじっくり焙煎することができます。
直火にもできますし、ハンドルを回すだけでいいので好みの焼き加減に仕上げましょう。
レビュー
- 容量
- 利便性
- 機能性
- 手入れ
- デザイン
- コスパ
▼商品情報
色 |
1色 |
重量 |
1.66kg |
サイズ |
190×264×139mm |
素材 |
臼式セラミック製 |
No.2 発明工房 コーヒー豆焙煎器
焙煎できるコーヒー豆の量は多くありませんが、焼きムラの少ないコーヒー焙煎機がこちら。
好みの焼き加減に調整できる手動タイプであり、薄皮も飛びにくい設計となっています。
揺すりながら焙煎するタイプで、初心者でも簡単にコーヒー焙煎ができますよ。
レビュー
- 容量
- 利便性
- 機能性
- 手入れ
- デザイン
- コスパ
▼商品情報
色 |
1色 |
重量 |
240g |
サイズ |
100×320×650mm |
No.3 TST ジェネカフェ CBR-101A
世界唯一の3D回転方式を採用している、家庭で気軽に使えるTSTのジェネカフェ。
温度や時間設定をダイアル式で設定できて、好みの焙煎時間まで自動で焼き上げてくれます。
焙煎後にはそのまま冷却できる機能や、薄皮を取り除く機能などが搭載されています。
レビュー
- 容量
- 利便性
- 機能性
- 手入れ
- デザイン
- コスパ
▼商品情報
色 |
1色 |
重量 |
5.5kg |
サイズ |
49 × 24.3 × 22.9cm |
素材 |
耐熱強化ガラス |
種類 |
自動 |
好みのコーヒーは自家焙煎で手に入れる!
自分の好みが明確で美味しいコーヒーを追求していくと、最終的には自家焙煎へと辿り着きます。
もちろん手間はありますが、焙煎から自分好みに調整することができます。
味わいや風味を細かく調整するならば、ぜひ自家焙煎から始めてみましょう!
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この記事を書いた人
編集部ライター・営業
バリ島で飲んだコーヒーの甘さとザラザラ感にびっくりし過ぎて、吹き出した経験をもつ編集部ライター。
その経験をきっかけに日本と世界のコーヒーの違いを知り、コーヒーの奥深さどんどんハマっていく。
コーヒーの味や香りだけでなく、カフェ空間やコーヒーを作る工程などの魅力にハマり毎週喫茶店巡りをしている。