コーヒー器具の使い方

サイフォンの使い方からコーヒーの淹れ方やお手入れ方法を解説します!

2022年7月29日

サイフォンの使い方、 淹れ方やお手入れ方法を解説!

本記事ではサイフォンを使ったコーヒーの淹れ方や注意点、お手入れの仕方について解説していきます。

「サイフォンはプロが使用する器具だから、自宅では無理だな...」

なんて思っていませんか?実はそんなことはありません!

サイフォンの器具さえあれば、誰でも美味しいコーヒーを淹れることができます。

この記事を最後まで読んでもらえれば、今日からでも淹れることができますよ。美味しさと楽しさでハマってしまう可能性も大です。

ぜひ淹れ方を覚えてみてくださいね。

この記事を書いた人

KINEO

KINEO

コーヒーオンラインショップ・ブログ運営/フリーライター

A&K COFFEEのKINEOです。コーヒーが大好きで、四六時中コーヒーと戯れています。現在は『コーヒー豆を完全受注焙煎にて自家焙煎するオンラインショップ』と『A&K COFFEEブログ』を運営しています。コーヒーの魅力や知識・技術、そして有益な情報を発信し共有して頂けたらと思っております。

 

コーヒーサイフォンとは?

サイフォン

そもそもサイフォンとはどんな抽出器具かご存知でしょうか?

諸説あるのですが、サイフォンの原型が誕生したのは「ヨーロッパ」と言われています。

ある説は1700年代のフランスで、またある説では1800年代のイギリスで、というようにその誕生説は明らかではありませんがヨーロッパであることは間違いないようです。

サイフォンの形状は三型ある

サイフォンの形状

  • ガラス風船型サイフォン
  • ナピアー式サイフォン
  • 天秤型サイフォン

以上の三型です。

なかなか聞きなれない名前だと思いますが、私たちが一般的に見る一番普及している型が「ガラス風船型サイフォン」です。

皆さんが見たことがあるのも、おそらくこの型かと思います。

そしてここからは、この「ガラス風船型サイフォン」に限定して解説をしていきます。

サイフォンの抽出原理

サイフォン

まずサイフォンというのは”高温抽出”です。

下部のフラスコに入れたお湯が火などの熱源によって沸騰し、その蒸気圧によってお湯が上部の漏斗(ロート)へと押し上げられます。

そしてお湯が上部に押し上げられた状態で、コーヒー粉とお湯を撹拌しコーヒーの成分を抽出します。

この工程のあと熱源の火を消すことによって、圧力が低下。

上部にあったお湯(コーヒー液)が下部のフラスコへと”吸引”されて戻っていきます。

よくコーヒー液が下に”落ちる”と表現されていますが、それだと少しニュアンスが違います。

サイフォンの特徴のひとつでもある、「バキューム効果(吸引)」によってフラスコへ”引っ張られる”という表現が本当は正しいのです。

このことから英語圏ではサイフォンのことを「Vacuum Coffee Maker(バキューム)」なんて呼びます。

サイフォンのメリットは手軽で楽しい

  • 手順とコツさえ理解すれば特に難しくないので誰にでもできる。
  • 実験的な感覚があって、楽しい
  • 香り高くて質感も良く、美味しい

見た目は少し複雑ですが、実際の手順は難しくありません。

また、とても香りがよく、口当たりや舌触りの質感がとても良いです。

サイフォンのデメリットは管理が面倒

  • 熱源を使用するため、注意が必要(火傷や可燃物、お子様など)
  • ネルフィルターの管理が少々面倒

熱源については、熱くなってしまうと危険なのでその一点に注意しましょう。

しかし、サイフォンなら難しくなく、楽しく美味しいコーヒーを入れることができますよ。

サイフォンの使い方

今回使用するサイフォンは、「ハリオ」のコーヒーサイフォン テクニカ 3杯用(TCA-3)です。

上の画像のものが同製品となります。

今回使用しているのはコレ!

本抽出の途中で2つのチェックポイントがありますので、ここをよく覚えて下さい!

では抽出をしていきましょう。

1. 時間短縮のために沸かしたお湯を使う

サイフォンの使い方

まずはこのフラスコにお湯を入れていきます。(先にお湯を沸かしておきましょう。)

沸いたお湯を使うのは時間短縮のためです。水からでは時間がかかる。

2. コーヒー粉18gとお湯190 mlを用意

サイフォンの使い方

今回はコーヒー粉を18g使用するので、お湯は約190mlを使用しましょう。

お湯が少し多いのは、抽出過程でコーヒー粉がお湯を吸うためです。

3. アルコールランプに火をつける

アルコールランプに火をつける

次にアルコールランプに火をつけます。

アルコールランプの場合は、火をつけたあとは忘れずに「風防」をしましょう。

火の大きさの調節は、芯の出し入れで調節

アルコールランプ

出すと大きく、引っこめると小さくなります。

アルコールランプの燃料

アルコールランプの燃料には、画像のような「燃料用アルコール」を使用します。

薬局などでも販売しています。

4. 火が安定したらフラスコの下へ火を配置

サイフォンの使い方

5. ネルフィルターの水気をキッチンペーパーなどでよく取っておく

ネルフィルター

6. ネルフィルターを漏斗の中に固定する

サイフォンの使い方

ボールチェーンのフックは「バネ式」になっているので、伸ばし過ぎに注意しましょう

7. お湯の突沸現象を防ぐために漏斗に固定したボールチェーンをフラスコ内へ入れる

サイフォンの使い方

まだ本抽出ではないので、画像のように漏斗は斜めにして差し込みましょう。

8. しばらくしてお湯からボコボコと泡が出てきたら抽出開始の合図

サイフォンの使い方

ここからが本抽出になります。

9. 斜めにしていた漏斗をまっすぐにフラスコへ差し込む

サイフォンの使い方

これで蒸気の逃げ場がなくなってお湯が漏斗内へと押し上げられます。

10. お湯が上がりきったのを確認したらコーヒー粉を全て投入

撹拌

1回目の撹拌を行います。

画像の矢印方向を意識して前後にヘラを動かして撹拌します。

もし「撹拌ベラ」がない場合は、大きめのスプーンなどで代用しましょう。

1回目の撹拌を終えたら、30秒ほどそのままで放置します。

11. 1回目の撹拌後に画像のように”三層”になっていれば上手く撹拌ができたサイン

サイフォンの使い方

これが1回目のチェックポイントです。

12. 30秒したら火を消して2回目の攪拌

サイフォンの使い方

アルコールランプのフタをして火を消します。

13.  2回目の撹拌のやり方

サイフォンの使い方

2回目の撹拌のコツは、一回目の撹拌とは違い画像のように”回しながら撫でるように”撹拌を行います。

2回目の撹拌は火を消した後です。消化後に手早く撹拌を行いましょう。

14. 火を消したことにより圧力が下がり、コーヒー液がフラスコ内へと吸引される

サイフォンの使い方

ここで2回目のチェックポイントです。

漏斗からコーヒー液が完全にフラスコへ落ち切ったら、漏斗内のコーヒー粉を確認してみましょう。

サイフォンの使い方

こちらの画像のように”中央が山高”になっていれば、2回目の撹拌が上手くできたサインになります。

これが平たい状態だとあまり撹拌が上手くできていないので、もう少し撹拌の仕方を意識してみましょう。

15. 完成!出来上がったコーヒーをカップに移しましょう

香り高い美味しいサイフォンコーヒーの完成です!

今回使用しているハリオのサイフォンはネルフィルターを使用しているので、コーヒーの微粉は気にしないで大丈夫です。

微粉はほとんどネルフィルターが吸着してくれます。

気にせずに最後までカップにコーヒーを注いでください。

サイフォンを使い終わった後のお手入れの仕方

特に難しいことはありませんが、ネルフィルターの管理だけは覚えるようにしてください。

1. コーヒー粉を捨てる

サイフォンのお手入れ

まずは漏斗内のコーヒー粉を捨てましょう。

ボールチェーンのフックをゆっくりと外してネルフィルターを取り出します。

必ず器具自体が冷めてから触るようにしてください!

サイフォンのお手入れ

ネルフィルターを指もしくはブラシなどでやさしく洗う

画像のように水を張ったタッパーを用意して、その中にネルフィルターを浸して保存します。

※ネルフィルターを洗剤で洗うことは厳禁です!必ず水で洗いましょう!

2. 漏斗、フラスコを洗う

サイフォンのお手入れ

ここは中性洗剤などを使用しても大丈夫です。

3. すべて洗い終わったらタオルの上などでよく乾燥させる

サイフォンお手入れ

以上がお手入れの仕方になります。

注意してほしいのは以下です。

注意点

・ネルフィルターには洗剤を使わない。

・水を張ったタッパーでネルを管理する。

ということだけしっかり覚えてください。

サイフォンとエアロプレスの違いについて

エアロプレス

似た抽出器具として、エアロプレスがあります。

ここではサイフォンとエアロプレスの違いについて解説します。

エアロプレスとは、プレス系の近代バージョン

エアロプレスの詳細については割愛させていただきますが、エアロプレスとはいわゆる「プレス系」の近代バージョンです。

サイフォンとエアロプレスの共通点

共通点

・どちらも浸漬法という抽出方法であること。

・どちらもコーヒーオイルを味わうことができる。

・どちらも抽出工程で撹拌をする。

サイフォンとエアロプレスの違い

違い

・サイフォンは蒸気圧による「バキューム効果」で抽出する。

・エアロプレスは人力による圧力(プレス)で抽出する。

・サイフォンのフィルターは一般的にはネル(布)

・エアロプレスのフィルターは主にペーパー(金属フィルターもあり)

というような共通点と違いがあります。

どちらも浸漬法という抽出方法で同じなのですが、「吸引」と「圧力(プレス)」という点に違いがあります。

※コーヒーの抽出法を大別すると「透過法」と「浸漬法」に分けられます。

フィルターにも違いがある

フィルター

フィルターとは、ネル(布)とペーパー(紙)です。

冒頭でペーパードリップはオイルを吸着してしまうので、オイルまで味わいたいなら向かないと解説しました。

しかし共通点のところでは、どちらもコーヒーオイルを味わうことができると解説しています。

この矛盾がなぜ起こるかというと、サイフォンでは「バキューム効果」で吸引されることによりオイルがネルを通過します。

エアロプレスでは「人力による圧力(プレス)」によって、オイルがペーパーから押し出されるのです。

ペーパードリップは、お湯が上から下へと重力のみで通過していきます。

オイルは重量だけではペーパーを通過していかないので、オイルはペーパーに吸着されてしまうのです。

このことからペーパードリップでは、オイルがフィルターを通過しにくいためオイルを味わうことには不向きなのです。

以上のことから、サイフォンもエアロプレスもコーヒーオイルを味わうことができるのです。

[関連]ネルドリップコーヒーフィルターの人気おすすめランキング

サイフォンを使ってコーヒーを飲む良さ

コーヒー

  • 香り高いコーヒーが飲める。
  • ”実験”を思わせる見た目や抽出工程が楽しい。
  • 自宅でカフェや喫茶店と同じコーヒーを淹れられる
  • 自宅でサイフォンを使う人が多くないため、ちょっとした自慢になる?
  • コーヒー抽出のレパートリーが増える。

サイフォンならまろやかな味に仕上がる

サイフォンは”高温抽出”です。

なので「尖った味」を想像するかもしれませんが、実際にはそんなことありません。

サイフォンは比較的短時間で抽出を終えるのに加えて、蒸気圧による「バキューム効果」でコーヒーオイルを一緒に抽出できるからです。

このコーヒーオイルのため、サイフォンコーヒーの味は高温にもかかわらず「まろやかな味」の質感に仕上がるのです。

ペーパードリップだと、ペーパーにオイルが吸着されるため抽出後の味はスッキリとクリアな味になり、まろやかさは控えめになります。

つまりコーヒーオイルまで味わいたいのであれば、ペーパードリップという選択はしない方がいいでしょう。

まとめ

文章と写真だけではなかなか伝わりづらいところもあったかと思いますが、やっていること自体は本当に難しくはありません。

わからなくなったら一度だけでなく、二度三度とこの記事を読み返してみてください!

実際に繰り返し抽出をすることで理解できることも多いと思いますので、まずは始めてみましょう。

【特に覚えてもらいたい点】

サイフォンは蒸気圧を利用して「バキューム効果」によりコーヒーを抽出する。

・ほぼ沸騰に近い高温抽出だが、コーヒーオイルの効果で質感はまろやかに仕上がる。

・抽出工程では、2回の撹拌作業が味の決め手!

・「火」などの熱源を使用するため、可燃物やお子様に充分注意する。

・お手入れの際に、ネルは必ず水洗い(水を張ったタッパーで保存)

以上が特に覚えてもらいたい点です。

重複しますが「火」を使用するため、火傷や可燃物の管理、お子様の動向には充分に気を付けてくださいね。

それらを守った上で、サイフォンを楽しく淹れられることを心から願っています。

今回使用しているのはコレ!

▼あなたにおすすめの記事▼

この記事を書いた人

KINEO

KINEO

コーヒーオンラインショップ・ブログ運営/フリーライター

A&K COFFEEのKINEOです。コーヒーが大好きで、四六時中コーヒーと戯れています。現在は『コーヒー豆を完全受注焙煎にて自家焙煎するオンラインショップ』と『A&K COFFEEブログ』を運営しています。コーヒーの魅力や知識・技術、そして有益な情報を発信し共有して頂けたらと思っております。たくさんの方の素敵なコーヒーライフの参考になれば幸いです。

-コーヒー器具の使い方
-