コーヒー豆の種類はとても豊富。あまりにも多すぎると、どれにしようかと悩んでしまうことも…。そんな時に、指標のようなものがあれば便利ですよね。
コーヒー選びの決め手の1つとして挙げられるのが産地。世界中には少なくとも76ヶ国以上の生産国があり、(※1) さらに各国の生産地域を分けると、無数のコーヒーを味わえる可能性を秘めています。
産地の特徴を知ることは、自分好みのコーヒーにアプローチする近道の方法になるかもしれません。
そこで今回は、コーヒー豆のおすすめ産地23ヶ国の特徴や、コーヒーの味わいなどを一挙にご紹介します。
さらに産地ごとのおすすめコーヒーもお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。
(※1) 世界のコーヒー豆 生産量 国別ランキング2020年
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フリーライター
かつてウィーンで本場のカフェ文化に触れ、その後北部タイで薫り高いコーヒーを味わって以来、コーヒーに心魅かれる。その想いが募り、美味しいコーヒーを追求して2年間の東南アジア・東アジア放浪の旅へ。
コーヒー豆は生産地で選ぶべき?
「香り・酸味・甘み・苦味・コク…」とコーヒーには美味しいと感じる要素がたくさん含まれ、それぞれのバランスによって風味は決まります。
そしてこれらは品種だけでなく、コーヒーノキが生まれ育った産地にとても影響しています。
またコーヒーの銘柄は、生産地の国名や産地を象徴する山・地名などから名付けられるものが多いです。
コーヒー豆を選ぶ際にも、その土地を印象付ける役割を果たしています。
気になるコーヒーがあれば覚えやすいというメリットもありますよね。産地はきっと自分好みのコーヒーを見つける手助けになってくれるでしょう。
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コーヒー豆は生産地ごとに違った特徴を持っている
コーヒー豆はそれぞれに特徴があり、個性もさまざま。個性の強さや種類は多様で、まったく一致するものはありません。
また同じ品種でも、育った環境が異なれば風味も変わってきます。
例えばアフリカ系のコーヒーは香りと酸味が際立ち、透明感のあるテイストが特徴的です。
中南米ではブラジル、コロンビア、グァテマラのように全体的にバランスの良いものから、甘みやコクを堪能できる濃厚なテイストも魅力的です。
東南アジア系では、熱帯モンスーン気候や風土に大きく影響し独自の個性的な香味や味わいが見られます。
ただし、精選方法や焙煎度合いなどで風味は変わる
精製方法と焙煎はコーヒー豆の特徴を引き出す重要な役割を持ち、その仕方によって風味は変化します。
おもな精製方法は、果実の甘みや香りを引き継ぐナチュラル製法、クリアな味わいと酸味が引き立つウォッシュド製法、芳醇な甘みが際立つハニープロセス製法に分けられます。
焙煎は8段階あり、例えば極浅煎りと極深煎りなら相対し、中間になるほどバランスが良くなります。
同じ豆でも香り・酸味・甘み・苦味・コクのバランスは変化しますので、好みに応じて選び方を変えてみることも可能です。
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コーヒー豆おすすめ生産地の選定基準
コーヒー豆のSNSや口コミでの人気度
人気度はランキングの選定においてとても重要な項目の1つ。
風味の感じ方には個人差があるため「売れているコーヒー豆=美味しい」とは言い切れませんが、「売れているコーヒー豆=人気が高い」と推測することができます。
SNSや実際に購入した方のレビュー・口コミは、コーヒー豆の人気度を測るツールとしてとても有効で、これらの総合的な評価は、客観的な基準として役立ちます。
コーヒー豆の品質の高さ
コーヒー豆の品質は、おすすめの選定基準になくてはならない必須条件です。
そして品質の基準は、コーヒー豆のサイズや欠点豆の混入数などで評価される等級や生産・品質管理の状況などで判断ができます。
さらに豆の品質はもとより、流通経路の追跡や生産地が明確であるなど、スペシャルティコーヒーとしての価値も評価されます。
コーヒー豆が持つ個性と独自性
コーヒー豆にはそれぞれに特性があります。
それは豆の大きさや艶などの見た目はもちろん、酸味や甘み、香りなど五感の感じ方も一様ではありません。
産地の標高や土壌、降水量といった栽培環境やその土地の風土などの違いによって、コーヒー豆の風味に現れます。
個性や独自性は、他の豆にはない特徴であり、同時にその豆が秀でていることも意味します。これは評価に値する十分な要素です。
コーヒー豆の価格
価格は生産コストや流通コストが影響するため、必ずしも品質に比例するとは限りません。
しかしオークションなどで高額な値段が付けられることは、高品質なコーヒーとして適正に評価されていることを意味します。
同時に注目度の高いコーヒーであることは確実ですので、選定基準の1つとして加えることができます。
コーヒー豆の入手しやすさ
高品質のコーヒーであっても生産量の少ない銘柄は入手困難で、なかなか手に届かないものです。
そこで今回は、気軽に味わってもらえる産地の銘柄を選定基準の1つとしています。
コーヒー豆のおすすめ生産地ランキング
No.1 エチオピア
エチオピアはコーヒー発祥の地として知られ、数々の品種がこの地から世界に広がりました。
現在においても、まだ市場に出ていない在来種が多く存在すると言われています。世界生産国ランキング(2020年度)は5位で生産量は58万トン。
生産者の大半が1ヘクタールにも満たない小規模農家であるなか、コーヒー豆は国の主要な輸出産品として位置づけられています。
エチオピアの象徴として有名なのがモカですね。「モカ香」と呼ばれる特有の香りがとても魅惑的です。
エレガントで華やかな香りは、甘い花々やベリー系・シトラス系のフルーツを想起させるものから、時にワインフレーバーにも例えられ、上品な酸味とともに口の中に広がります。
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エチオピア産のおすすめコーヒー
No.2 ブラジル
世界最大のコーヒー生産国であるブラジル。農用地が日本の約54倍もある農業立国で、2020年度のコーヒー生産量は370万トン。
全世界における生産量の約30%を占め、不動の1位を維持しています。
国内生産比率はアラビカ種が圧倒的に多くシェアは約80%。ナチュラル製法により果実感のある優しい甘みを持ち合わせています。
香りの充実度も高く、ナッツやチョコレート、柑橘系など甘い香りが感じられますよ。
また苦みと酸味のバランスが良く、しっかりとした珈琲感もあり、クセのない飲みやすい味わいのため、アラビカ種同士のブレンドベースとして使用されることが多いのも特徴です。
ブラジル産のおすすめコーヒー
No.3 グァテマラ
グァテマラコーヒーは国の経済を大きく支える重要な産業です。生産量は22万5千トンで世界生産国ランキング(2020年度)10位に位置しています。
人口1,680万人のうち約60万人以上がコーヒー生産に携わり、生産者の約90%以上は1ヘクタール程度の小規模農家です。
各生産地域の栽培環境は多様で、さまざまな味わいに出会うことができます。
甘い香りと重厚感のあるコク、チョコレートやナッツ、果実感のある甘みが特徴的。
さらにウォッシュド製法により、明るい酸味も引き出されています。
グァテマラでは、ブルボン種をメインに、カトゥーラ種やパカマラ種、ゲイシャ種、マラゴジッペ種など数多くの品種が扱われています。
グァテマラ産のおすすめコーヒー
No.4 インドネシア
個性的な銘柄を生産するインドネシア。国内生産の約90%はロブスタ種で、残り約10%がアラビカ種です。
世界的に有名なマンデリンをはじめ、コピ・ルアクやジャワ、トラジャなどの銘柄を生み出しています。コーヒー豆の全生産量は77万トン、世界生産国ランキング(2020年度)4位に位置します。
重量感のあるコクや苦みに加え、ハーブやシナモンといった香辛料のような香りが独特です。
酸味は控えめで、まろやかな甘さが後味に広がります。インパクトの強いコーヒーが好みの方にピッタリです。
インドネシアでは、高温多湿の環境に適したスマトラ式と呼ばれる精製方法を採用し、インドネシア独特の風味を持つコーヒーが出来上がります。
インドネシア産のおすすめコーヒー
No.5 コロンビア
世界生産国ランキング(2020年度)3位のコロンビアのコーヒー生産量は83万トン。国内の農産物輸出品目のうち輸出額ベースで1位になるほど、国内の経済に大きく寄与しています。
コロンビア産コーヒー豆の日本への輸出は全体の65%以上、インスタントコーヒーは2%で、日本はコロンビアのコーヒー産業にとって主要な取引先です。
栽培はアラビカ種100%で7品種(ティピカ種、ブルボン種、カトゥーラ種、マラゴジッペ種、タビ種、コロンビア種、カスティージョ種)が扱われています。
全体的に重厚感のあるコクと芳醇な甘みが特徴的。酸味が控えめで苦味も柔らかいため、飲みやすい味わいです。
コロンビア産のおすすめコーヒー
No.6 タンザニア
キリマンジャロコーヒーで有名なタンザニア。日本で人気のある銘柄ですね。
タンザニアは世界生産国ランキング(2020年度)16位で、生産量は6万トン。生産量としては最上位レベルではありませんが、その存在感は並大抵ではありません。
キリマンジャロはタンザニア全土で生産されるアラビカ種のコーヒー豆を総称した銘柄ですが、現在ではタンザニアコーヒーという名前でも知名度が高まっています。
シトラスのような爽やかな酸味と強いコクが特徴的。ほどよい甘みと苦味のバランスも良く、透明感のある心地よいテイストです。
フローラル系の甘い香りや柑橘系の甘酸っぱさが感じられるフレーバーもあり、上品な風味を味わえます。
タンザニア産のおすすめコーヒー
No.7 ケニア
ケニア産コーヒーの世界生産量ランキング(2020年度)は23位。ヨーロッパでの人気が高く、おもな輸出先はドイツやベルギー、スウェーデンなどです。
2018年まではコーヒー生産量が4万トンを超え上昇傾向でしたが、近年の気候変動の影響により、2020年には3万6千トンまで減少。
栽培環境が悪化し品質低下も伴ったことから、現在日本の企業が支援に乗り出しています。
ケニアフレーバーと呼ばれる個性的な香味があり、柑橘系の香りとプラムやカシス、オレンジのような明るい酸味が際立ちます。
淹れたてのコーヒーは上品な香気を放ち、果実感が漂います。さらに、しっかりとしたコクがプラスされ濃厚な味わいです。
ケニア産のおすすめコーヒー
TAILORED CAFE(テイラードカフェ)
ケニア マガンジョAA
参考価格 1,039円
No.8 ジャマイカ
カリブ海に浮かぶ島国ジャマイカ。ジャマイカ産コーヒーは山岳地帯の急斜面で手作業による栽培となるため、生産量が少ないのが特徴です。
生産量は7千トンで世界生産国ランキング(2020年度)41位になります。
ブルーマウンテン山脈内で栽培されたものをブルーマウンテン、それ以外はノン・ブルーマウンテンと区別され、どちらもおもにアラビカ種のティピカ種を採用しています。
ブルーマウンテンは香り・コク・酸味・甘み・苦味の黄金バランスを持ち、最高品質。芳醇なコクと甘い香りが余韻を残します。
ノン・ブルーマウンテンは、ブルーマウンテンと同様にとても繊細で非常に調和のとれた味わいです。
ジャマイカ産のおすすめコーヒー
No.9 パプアニューギニア
南太平洋諸国に属するパプアニューギニアのコーヒーは、国の主要産業の1つ。
世界生産量ランキング(2020年度)は21位、生産量は4万トンで、国内の農作物輸出品目はトップレベルです。
アラビカ種とロブスタ種を栽培していますが、輸出用として出荷されるのは、標高1,000〜2,000mで栽培されるアラビカ種。おもに小規模農家が個人個人の土地でコーヒー豆を栽培し、業者が買い付けを行う形式で市場に出ます。
芳醇なコクがあり、ほどよい酸味と爽やかでクリアな後味が口の中に広がります。クセがなく、浅煎りでも深煎りでも相性の良いテイストです。
パプアニューギニア産のおすすめコーヒー
No.10 コスタリカ
コスタリカ産コーヒーは、19世紀後半に輸出総額の約90%を占めるほどでしたが、現在はわずか3%程度に減少しています。
それでも生産量は7万6千トンで世界生産国ランキング(2020年度)15位。いまだにコーヒー栽培は盛んです。
1988年にはアラビカ種以外のコーヒー豆の生産を禁止し、Icafe(コスタリカコーヒー協会)主導で品質重視の生産へシフト。現在では約50%がスペシャリティコーヒーとしてアメリカ、ベルギー、ドイツなどに出荷されています。
おもな品種はアラビカ種のカトゥアイ種とカトゥーラ種。ハニープロセスによる製法で、果実感が伝わる甘みと濃厚なコクがあり、雑味がなく明るい酸味も備わっています。
コスタリカ産のおすすめコーヒー
珈琲きゃろっと
コスタリカ モンテ・コペイ エル・エンシノ農園
参考価格 2,180円
その他のコーヒー豆おすすめ生産地
ハワイ
約132の島からなるハワイ諸島でコーヒーを栽培しているエリアは、ハワイ島、マウイ島、オアフ島、カウアイ島などです。
なかでもハワイ島のコナ地区で栽培されるアラビカ種はコナコーヒーと呼ばれ、生産量はおよそ1,000〜1,500トン。
全世界における生産量の割合は1%にも満たず、州政府による厳しい検査に合格した最高品質で希少価値の高いコーヒー豆として取引されています。
コナ地区以外で生産されるコーヒーはすべてハワイアンコーヒーと区別されます。
コナコーヒーは、個性的な強い酸味と完熟果実のような芳醇な甘い香り、そして奥深いコクが特徴です。
ハワイ産のおすすめコーヒー
イエメン
イエメンはエチオピアとともにコーヒーの歴史が古く、世界中にコーヒーが展開された出発点とも言うべき重要な地です。
世界的に人気のあるモカは、イエメンのモカ港から出荷されるコーヒー⾖の総称です。
イエメン産コーヒー豆は世界生産国ランキング(2020年度)29位で、生産量は2万2千トン。エチオピア産と比べると流通量に大きな差があります。
エチオピア産は苦みの強いアラビカ種豆とのブレンドにも⽤いられますが、イエメン産はそのままストレートで味わう楽しみ方がほとんどです。
その味わいは、クリアで鮮やかな酸味と果実感が漂う独特の甘い香りが特徴的ですよ。
イエメン産のおすすめコーヒー
パナマ
パナマ産コーヒーの生産量は決して多くなく約7千トン、世界生産量ランキング(2020年度)では42位です。
しかし国際オークションで歴史上最高額を記録した、ゲイシャコーヒーがとても有名。スペシャルティコーヒーの産地に名を連ねています。
国土の約80%が山岳地帯でアラビカ種とロブスタ種を生産しています。アラビカ種は酸味が控えめで華やかなフルーティフレーバーが特徴的。透明感のあるスッキリとした飲み心地です。
ロブスタ種はパナマ東部のダリエン県にある小高い丘セロ・グランデ(cerro grande)地域でおもに栽培され、強烈な苦味を持つ100%ロブスタ種のコーヒーも販売されています。
パナマ産のおすすめコーヒー
ベトナム
ベトナムは世界屈指のコーヒー生産国。世界生産国ランキング(2020年度)では堂々たる2位で、生産量は176万トンです。
ベトナムコーヒー=ロブスタ種というイメージのとおり、ロブスタ種の生産量は世界1位です。
ロブスタ種特有の香りとインパクトのある苦味・渋みが感じられ、インスタントコーヒーや缶コーヒーなどの加工用として出荷されます。
また、わずか約4%ですが、アラビカ種も生産されています。
おもな地域はネアン地区やダラットなどの高原地帯。最高品質がルビーマウンテンで、控えめな酸味と柔らかい苦味、ソフトなコクが特徴的です。
その他の銘柄もクリアで苦味やコク、酸味のバランスが良く、ほどよい甘さの味わいです。
ベトナム産のおすすめコーヒー
ドミニカ共和国
透明度の高いカリブ海に浮かぶ島、ドミニカ共和国。九州より少し大きめの国土に約1,000万人の国民が生活しており、全人口の約70%が農業に携わっています。
コーヒー生産も盛んで、政府はコーヒー豆を国家的資源として、コーヒー栽培地や生産者育成に力を注いでいます。
世界生産国ランキング(2020年度)は40位で、生産量は7千トン。
ロブスタ種も栽培していますが、生産量はわずか1%ほどで、ほとんどがアラビカ種です。
なかでも古くから存在するティピカ種の栽培が有名で、優質な風味が評価されています。
ナッツのようなフレーバーを持ち、優しい甘みと適度な苦味、まろやかな口当たりが特徴的で、飲みやすいコーヒーです。
ドミニカ共和国産のおすすめコーヒー
メキシコ
世界生産国ランキング(2020年度)では12位で、生産量は17万5千トン。生産地は国土の南側に集中しています。
オーガニック栽培が盛んで、世界で流通するオーガニックコーヒーのうち、約60%がメキシコ産と言われています。
ロブスタ種も栽培されていますが、ほとんどがアラビカ種でティピカ種やブルボン種のほか、ブルボン種をルーツとするカトゥーラ種やムンドノーボ種が生産されています。
アーモンドやヘーゼルナッツなどのナッツ系やチョコレートを思わせるような香りが特徴です。
苦味が少なく、酸味と甘み、コクのバランスが良く、軽い後味のすっきりとした飲み心地です。
メキシコ産のおすすめコーヒー
ルワンダ
アフリカ大陸の中央部に位置するルワンダ共和国。全土に渡って続く山岳地帯が栽培地で、高い標高とミネラルが豊富な土壌で育てられたコーヒー豆の品質はとても優良です。
さらに2000年代に入って政府の支援も加わり、近隣諸国のエチオピアやタンザニア、ケニアと並ぶ品質に成長しています。
生産量は2万トンで世界生産国ランキング(2020年度)31位。生産量では近隣諸国に及ばないものの、スペシャリティコーヒーの生産国として注目されています。
アラビカ種の中でもおもにブルボン種が主流で、フルーツや花のような甘い香りがあり、苦みやコクは控えめ。
フルーティーな酸味とのバランスも良く、滑らかな口当たりが広がります。
ルワンダ産のおすすめコーヒー
エクアドル
太平洋に面したエクアドル。国土の中心には南米7ヶ国にまたがるアンデス山脈があり、コーヒー産地として有名です。
世界生産国ランキング(2020年度)は45位で、生産量は5千トン。おもな輸出先はヨーロッパ諸国になります。
コーヒーはエクアドルの主要輸出品目の1つとして数えられ、アラビカ種が約60%、ロブスタ種が約40%と生産量にあまり偏りのない珍しい生産状況です。
アラビカ種ではティピカ種、ブルボン種、カトゥーラ種などが栽培され、オーガニックコーヒーも盛んです。
ローストナッツのような香ばしさが特徴的で、口当たりが柔らかく、酸味・甘み・苦味・コクがバランスよく感じられます。
エクアドル産のおすすめコーヒー
ペルー
南米ペルーは、アンデス山脈とアマゾン川が広がる自然豊かな国です。
隣接するコロンビア・ブラジルと同様、標高の高さと昼夜の寒暖差はコーヒー栽培にとても適した環境。
ペルー産コーヒーは100%アラビカ種で、ティピカ種がおよそ70%を占めます。
世界生産国ランキング(2020年度)6位で、生産量は37万6千トン。小規模農家が手作業で栽培するオーガニックコーヒーが流通しています。
ナッツのような香ばしい香りとまろやかな苦味、ほどよい酸味を持ち、甘みが口の中で広がる飲み心地です。
しかし、栽培エリアによってもさまざまな顔を見せ、柑橘系の爽やかさやチョコレートやキャラメルのような甘い香りを持つ銘柄もあります。
ペルー産のおすすめコーヒー
ホンジュラス
中央アメリカにあるホンジュラスはカリブ海と太平洋に挟まれた国。コーヒー生産国として有名なエルサルバドルとグァテマラに囲まれています。
世界生産国ランキング(2020年度)は7位で、生産量は36万4千トン。
品種はほとんどがアラビカ種で、ティピカ種やブルボン種、カトゥーラ種など種類が豊富です。
ホンジュラス産コーヒーは甘い香りが特徴的。完熟したフルーツやナッツ系の香ばしさ、ベリー系やチョコレートなど、産地によって個々の特徴を楽しめます。
シトラス系の甘酸っぱい酸味と爽やかな後味もあり、心地よい余韻が残ります。
ホンジュラス産のおすすめコーヒー
エルサルバドル
エルサルバドルは中央アメリカの太平洋側に面し、世界有数の火山国です。
大量の火山灰が積み重なったミネラルたっぷりの肥沃な土壌が、コーヒー栽培に適した環境を作り出しています。
栽培はアラビカ種のみで生産量は3万6千トン、世界生産国ランキング(2020年度)は25位です。
ブルボン種、パカマラ種、カトゥーラ種、カトゥアイ種など、アラビカ種の品種はとても豊富。
エルサルバドル国立農政省コーヒー研究所が主導し、品種改良や徹底した品質管理を行っており、数多くのスペシャルティコーヒーを輩出しています。
ナッツやチョコレートのような甘い香りが魅力的で、シトラス系の酸味が柔らかく感じられ、後味がすっきりです。
エルサルバドル産のおすすめコーヒー
ラオス
東南アジアにあるラオスは、雨季と乾季がはっきりとした熱帯モンスーン気候地域で十分な降水量に恵まれています。
火山灰性の土壌のため水はけの良いミネラルを多く含んだ肥沃な栽培環境です。
世界生産国ランキング(2020年度)は11位で、生産量は18万5千トン。
ラオスではアラビカ種とロブスタ種のほか、希少なリベリカ種も生産されています。
国内生産量の割合はロブスタ種が約70%、アラビカ種が約25%、リベリカ種はほんのわずかです。海外にはアラビカ種のティピカ種が出荷されています。
ロブスタ種は国内で消費され、ベトナムコーヒーのように、コンデンスミルクを入れて甘くまったりとした風味を楽しむ飲み方が主流です。
ラオス産のおすすめコーヒー
ニカラグア
中央アメリカの中部に位置するニカラグアは日本へのコーヒー輸出が少ないため、身近に感じる機会はありません。
しかし世界生産国ランキング(2020年度)では堂々の13位で、15万8千トンの生産量を誇ります。
クオリティが高く、スペシャルティコーヒーやオーガニックコーヒーの取引も盛んです。
おもな栽培はアラビカ種で、ブルボン種、カトゥーラ種、マラジゴッペ種、ジャパニカ種、パカマラ種など多くの品種があります。
すっきりとした酸味と芳醇な甘みがあり、口当たりがクリーミー。ほんのりとした苦味が後味に続くバランスの取れた味わいです。
シトラス系やベリー系の爽やかな香りも加わり、多様な風味が感じられます。
ニカラグア産のおすすめコーヒー
コーヒー豆で迷ったらお試しセットもおすすめ!
ここでは各種国のコーヒーとその特徴について解説してきました。
しかし多すぎると逆に何を選べばわからなくなる場合もありますよね。
それでしたらお試しセットはいかがでしょうか。
専門のコーヒーショップが選んだ豆なので、良質な出会ったことがないコーヒーにも出会えます。
そのなかで自分にはどんなコーヒー豆が合うのか、というのを見つければいいんです。
悩んだときには“まずお試しセット”を頼んでみて、基準になる味を知ってみましょう!
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かつてウィーンで本場のカフェ文化に触れ、その後北部タイで薫り高いコーヒーを味わって以来、コーヒーに心魅かれる。その想いが募り、美味しいコーヒーを追求して2年間の東南アジア・東アジア放浪の旅へ。各国カフェタイムの過ごし方はさまざま。カフェ空間が人々にもたらす癒しや活力、その奥深さに魅力を感じながら、コーヒーへの探求心はなおも続く。